音楽療法は高齢者を元気にする!音楽を使った介護レクリエーションの目的・歌例・必要資格
音楽療法で高齢者を元気にしませんか?
介護施設や高齢者施設などで行われるレクリエーションは、高齢者の脳と身体を刺激する重要な役割を果たしています。脳は使えば使うほど活性化されますが、逆に使わなければ衰えていく一方です。できる限り元気に生き生きと毎日を過ごしてもらうためにも、レクリエーションを通じて脳のトレーニングを行いましょう。
レクレーションを行う際には、高齢者に楽しんでもらうことが大切です。四季を感じられる曲や若いころに流行っていた曲などを流し、曲に合わせて体を動かしながらレクレーションを行うことをおすすめします。
本記事では介護レクの目的について、脳トレの効果や種類、レクリエーションで人気の曲やレクリエーションを実施する際に必要な資格を紹介します。
目次
【介護レク】脳トレの目的や効果・簡単にできる内容
介護レクで脳トレを取り入れると、盛り上がることで高齢者の脳や身体には良い刺激が与えられます。盛り上がることでよい刺激につながり、認知症予防や進行を遅らせる効果が期待できるのです。
ここでは目的達成につながる脳トレの効果や種類を見ていきましょう。
【介護レク】脳トレの効果

高齢者の脳のトレーニングは、認知症予防につながります。介護施設でも認知症予防や症状の進行を遅らせる目的で実際に用いられていることが多いです。
1.認知症予防に役立つ仕組み
そもそも認知機能の低下は、脳内の血流悪化が原因の1つです。脳の活動に必要な酸素や糖は血液にのって移動します。そのため血液の流れを促進することで、認知機能の維持が期待できるのです。
2.楽しむことが何より大切
認知症予防に脳のトレーニングやクイズがいいからといって、無理に行うのは禁物です。しなければならないという気持ちで取り組むと高齢者にとってストレスになってしまいます。
取り組む人の苦痛やストレスにならないようにあまり無理せず、程よく盛り上がる量・難易度にしなければなりません。
最も大切なのは、本人が楽しんで取り組めること、そして継続して行えることです。1人でできる計算や読み書きだけでなく、家族・スタッフなど周りの人とコミュニケーションが取れるものを実施しましょう。
またクイズは発声の練習にもなるので、喉の老化防止になりコミュニケーションを円滑にするために役立つでしょう。
【介護レク】脳トレの種類

目的達成に最適な高齢者向けの盛り上がる脳トレを見ていきましょう。以下はほんの一例ですので、自由に応用することが可能です。
1.回文
上から読んでも下から読んでも同じ言葉・文章になる文字列のことを、回文といいます。回文を考えることは、頭の体操にぴったりです。また考えた回文を朗読することで、言葉遊びも楽しめるでしょう。以下の手順例を参考にしてください。
【手順】
- 大きな紙とペンを用意する
- 回文の例を用意して説明する
- 一部だけ空白を作り、空白に入る言葉をみんなで考える
- 考えた言葉を発表し合い、正解をみんなで声に出して読む
- 回文に慣れてきたら自由に考える時間を設ける
- 考えた回文を発表する
2.ことわざクイズ
記憶の中にある知識をさかのぼることで、記憶力のトレーニングになります。
【手順】
- ことわざを2分割し、上段と下段に分けて書く
- 例に倣って言葉同士を組み合わせ、線で結んで正しいことわざを作る
3.間違い探し
似たイラスト・写真の中から、1つだけ違うイラストや写真を見つけ出すゲームです。とてもシンプルな遊びですが、正しい絵を一時的に記憶しながら間違いを探さなくてはならないので、記憶力と注意力を同時に鍛えることができます。イラストや写真次第で難易度を調整できるので、アレンジしやすいゲームです。
【手順】
- 1つだけ異なるイラストや写真を配置してプリントする
- 間違いに〇をつけてもらい、チェックする
4.都道府県当てクイズ
頭の体操と回想法の2つの要素を含むゲームです。各都道府県の代表的な事柄のクイズを出し、それに回答してもらいます。
参加者は答える際、過去の記憶をたどりながら答えを探すため脳への刺激になるでしょう。
【手順】
- 有名な観光地・人物・産物などを都道府県ごとに用意する
- ホワイトボードに1つずつヒントを書き足していき、どこの都道府県かを当ててもらう
- 少ないヒントで解けた人から高い得点をつけていく
5.〇×クイズ(日常生活編)
日常生活のことを問題にした〇×クイズです。これまでの経験・知識をもとにクイズに回答するので、昔のことを思い出すいい機会になるでしょう。また正解と不正解を判断する注意力を養います。
【手順】
- 誰でもわかるような簡単なクイズを〇もしくは×で答えられるクイズにする
- クイズを解いてもらい、何問正解できているかチェックする
6.オノマトペクイズ
オノマトペ(擬音語・擬態語)を聞いて思いつく音をみんなで出し合い、その後はそのオノマトペに当てはまる単語が何だったかを思い出すクイズです。また、記憶を思い出す作業を入れることで脳がより活性化するでしょう。
【手順】
- 単語ごとに思いつくオノマトペを書き出す
- でそろったら単語を消す
- オノマトペから連想される単語を出し合う
7.言葉づくりゲーム
ホワイトボードに書いたマスの中に、ランダムでひらがなを書いて参加者に単語を探しだしてもらうゲームです。
ひらがなを眺めることで、ひらめきを体感してもらえます。できるだけ早く見つけることを目標にしたり、時間を気にせずに多くの数を見つけるように促して思考力を養ったりするなど、アレンジもしやすいです。
【手順】
- ホワイトボードにマスを書く
- ランダムでひらがなを入れる
- お題を決める
- そのお題に合わせた単語を見つけてもらう
【介護レク】盛り上がる代表曲や必要な資格
レクリエーションは、高齢者に楽しんでもらえなければ実施する意味がありません。そのため音楽を取り入れた介護レクも人気があります。しかし年代が異なると、どんな曲なら喜んでくれるのだろう、どういう曲になつかしさを感じるのだろうと悩むものです。
ここではおすすめの四季を感じる歌や人気の曲、レクリエーションを実施するための知識が身につく資格を紹介します。
【介護レク】四季を感じる歌・盛り上がる歌

介護レクリエーションでどんな曲を使おうか迷ったときはぜひ、以下の例を参考にしてください。
1.四季を感じられる歌
四季を感じられる歌、特に童謡は介護レクリエーションの定番です。季節ごとのレクリエーションで活用できます。おすすめの歌をいくつか紹介します。
【春の歌】
- 春が来た
- 春の小川
- 花
【夏の歌】
- ふじの山
- 夏の思い出
- 宵待草
【秋の歌】
- ちいさい秋みつけた
- 赤とんぼ
- たき火
【冬の歌】
- 雪
- 北風小僧の寒太郎
- あわてんぼうのサンタクロース
2.若いころに流行っていた曲
高齢者といっても年齢層は幅広いので、数年違えば流行っていた曲が変わっている可能性があります。できるだけ幅広い年代に愛されていた曲や、長く人気のある曲を選ぶと良いでしょう。
- 上を向いて歩こう
- 365歩のマーチ
- 青い山脈
- いつでも夢を
などがおすすめです。
また、高齢者が子育てをしていた時代に人気があった曲も認知度が高いです。
3.高齢者が盛り上がる曲
高齢者の方は、一昔前の曲を好む傾向があります。また、映画やCMで使われている曲なら、最近のものであっても知っている可能性が高いです。
少しアップテンポの曲を選び、体の動きを取り入れると盛り上がりやすいでしょう。
【介護レク】必要な資格

介護レクリエーションを行うにあたって、取得しておいたほうが良い資格は以下の5つです。
1.介護レクリエーション・サポーター
公共財団法人日本レクリエーション協会が設けているレクリエーション・サポーター制度です。
利用者の生き生きとした生活を支えるために、他の介護職員や利用者、または利用者同士のコミュニケーションを促進するのが主な仕事です。
研修では、環境や感覚を共有して利用者と心を1つにする、という心理的な仕組みも学べます。
2.介護レクインストラクター
JADP(一般財団法人日本能力開発推進協会)が指定する認定講座で学び、試験に合格することで取得できます。
高齢者の心と体に対する知識や、介護レクリエーションの企画から実践までの基本的な知識が身につくでしょう。レクリエーションの実施方法に関する知識・技術はもちろんのこと、老化によって変化する心と体、そして高齢者の病気と障害についても学ぶことができます。
例えば身体の片側に麻痺がある人への実践方法やアレンジ方法など、どのレクリエーションを取り入れれば効果的かを判断する力も身につけられます。
3.レクリエーション介護士
一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会が認定していて、自分の趣味や特技を生かしつつ、高齢者に喜んでもらえるレクリエーションの企画力や実践力が身につきます。
2級と1級があり、認定試験の合格によって取得可能です。どちらも通信もしくは通学で指定の講座を受講しなければなりません。
ただし1級は2級の合格者のみが受験可能で、必須講座の受講だけでなく実技試験・筆記試験に合格した後、さらに現場実習を必要とします。
1級の場合は人材育成や現場の活性化に関しての能力も身につけられるので、指導者や管理者になる際にも役立つでしょう。
4.音楽健康指導士
音楽健康指導士は、一般社団法人日本音楽健康協会が認定している資格です。音楽を通じて楽しく、そして適切なレクリエーションを実践する知識が身につきます。
歌や音楽を楽しみながら、身体能力・脳機能の維持や向上を目標としているのが特徴です。
音楽健康指導士には準2級と2級があり、準2級は通信講座で、2級は所定の会場で開催される集合講座に参加することで取得可能です。どちらも受験のための要件はないので、比較的取得しやすいでしょう。
5.音楽療法士
音楽療法士は、音楽を通じて高齢者の心身のサポートを行うのが仕事です。認定を受けられる団体は複数ありますが、日本音学療法学会と全国音楽療法士養成協議会の2つが主な団体として知られています。
音楽を通じて気持ちを落ち着かせたり、運動機能や認知機能を高めたりするため、生活の質を高めるサポートを行うのが、音楽療法士の大きな役割です。
団体によって取得までの道のりには違いがありますが、いずれも各団体の認定校や加盟校にて指定のカリキュラムを修了しなくてはなりません。
音楽を取り入れた介護レクで高齢者を元気に
脳トレは、認知症予防として介護施設などで用いられています。レクリエーションとして実施することが多く、種類も豊富にあるため利用者に合わせた脳のトレーニングを行いましょう。
より高齢者にレクリエーションを楽しんでもらうために、音楽を取り入れることをおすすめします。聞き馴染みのある曲を流すことで、自然と体が動き、みんなで盛り上がりながらレクリエーションを行うことができます。
介護レクリエーションに関連する資格は様々ありますが、中には音楽健康指導士や音楽療法士といった、音楽を使った介護レクリエーションに特化した資格もございます。より深く学びたい、という方は資格取得もおすすめです。
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