音楽療法のやり方を徹底解説!音楽療法士とは?
音楽が医療や介護の現場で用いられていることをご存じでしょうか?
音楽は、私たち人間の心身によい影響をもたらします。「気分が落ち込んだときはメンタルケアとして好きな音楽を聴く」「音楽を聴くと気持ちが前向きになったり、やる気が起こる」「音楽を聴きながら勉強するとはかどる」という方は多いでしょう。
これは、音楽が持つ力によるものです。
単に個人的な趣味や仕事の枠を超えて、音楽を患者さんのメンタルケアやリハビリに活かそうとする動きが年々強まっています。
音楽を使った療法は「音楽療法」と呼ばれ、専門の音楽療法士によってプログラムが実施されているのです。
今回は、音楽療法士の仕事・役割や音楽の力が人間に与える影響、音楽療法のメリットについて詳しく解説します。
目次
メンタルヘルス~音楽の力~
音楽には、人間の心身の障害、疲労、ストレス、悩みのケアをサポートする働きがあります。
近年は音楽の力を医療の現場で活かそうという動きが強まっており、音楽療法を取り入れる病院・施設も増えてきました。
こちらでは、音楽療法士の仕事・役割は何か、音楽には具体的に働きがあるのかについて解説します。
音楽療法士とは?

まずは、そもそも音楽療法とは何かについてご紹介します。
音楽療法とは
音楽療法とは、音楽が持つ心理的および社会的な効果を使って、対象者(クライアント)の心身の状態のケアや生活の質の向上、行動の変化などを目指す療法のことをいいます。
音楽療法は介護・看護の患者さんだけではなく、子どもから大人まで幅広い方が対象です。
音楽療法では、以下のようなことが可能です。
- ・精神の安定(心のケア)
- ・心身の障害のケア
- ・人との交流、コミュニケーションを増やし、孤立を減らす
- ・問題行動の減少
- ・子どもの心身の発達支援
- ・言語や体のリハビリに活かす
音楽療法士とは
音楽療法士は、音楽の力を用いてクライアントのケアを行う専門職です。
別名「ミュージックセラピスト」と呼びます。対象者に音楽を聞いてもらう、実際に楽器を演奏してもらう、一緒に歌う、など様々なやり方でセッションを実施し、クライアントの心身の状態をケアしていきます。
音楽療法のやり方は能動的方法(実際に楽器を演奏してもらったり、一緒に歌を歌ったりする方法)、受動的方法(音楽を聞くことを中心に行う方法)のどちらかが基本です。
音楽療法士の資格
音楽療法士は国家資格ではないので、資格が必須というわけではありません。
しかし、高い専門知識が求められる職業なので、民間資格を取得してから就職するのが一般的です。
音楽療法士の民間資格を得るための講座としては、日本音楽療法学会が認定する資格試験受験認定校の講座や、ギターなど特定の楽器を専門にした講座があります。
音楽の力が人間に与える影響とは?

次に、音楽が人間の心身にもたらす影響について見ていきましょう。
心に安定をもたらす
誰しも一度は、音楽を聞いて心が安定した経験があるのではないでしょうか?
音楽は心を静めたり、意欲を高めたりと人間の脳に大きな影響を与えます。
また、音楽を聞いたり演奏したりすることで「セロトニン(幸せホルモン)」が分泌されやすくなり、セロトニンはうつ病や精神疾患の予防に役立つといわれているのです。
感情を発散できる
音楽は、聴くだけでなく実際に演奏したり、歌ったりすることでメンタルによい働きをもたらします。
例えば、お風呂の中で鼻歌を歌うだけでも、それは一種の感情の発散であり、緊張した心を緩和してくれるでしょう。
カラオケでストレスを発散するというのも、よく見られる光景です。
自身の内側に悶々と感情をため込むのではなく、音楽を通して感情を解き放つことは、心身によい影響をもたらしてくれるのです。
仲間意識や親密感などの社会性の向上
一緒に音楽を演奏したり、歌ったりすることで、仲間との連帯感や親密感が生まれます。
この連帯感、親密感は心に喜びや充実感をもたらし、同時にその人の中の社交性を向上させてくれるでしょう。
音楽を一緒に練習したり、演奏したりするのは社会的な共同作業といえますから、他者と交わることへの喜びや愛といったポジティブな感情が生まれやすくなるのです。
集中力や注意力を高める
ある一定時間、心を静めて音楽を聞くという行為は集中力や注意力を高める方法の一つです。
音楽をじっと聞き入ることは一種の瞑想であり、メンタルを整えるだけでなく、日々の仕事や生活におけるパフォーマンスアップが期待できます。
リハビリにも用いられる音楽療法
現在、音楽療法は医療における様々な分野で導入されています。
例えば、精神医療の分野では精神的な障害(うつ病など)を患う患者さん、介護医療の分野では介護施設に入居する高齢者や認知症を患う患者さんなどが音楽療法の対象です。
こちらでは、医療の現場で具体的などのような音楽療法が実施されているのか、その種類とやり方について解説します。
音楽療法の種類

音楽療法はいくつもの種類があります。ここでは、3種類をご紹介します。
心理療法的音楽療法
主に精神障がい者、施設入居者、高齢者に対して行われる音楽療法です。
音楽を通して心身の障害のケア、意欲や社会性の向上を目指します。
教育的音楽療法
発達障がいの子どもや小中高生の心理的成長促進などを目的として行われる音楽療法です。
音楽を通してコミュニケーション能力の向上、社交性の習得などを目指していきます。
特別支援学校などでセッションが行われることも多い療法です。
神経学的音楽療法
脳出血・脳梗塞・頭部外傷などの脳血管疾患を患っている患者さんや身体障がいのある患者さんを対象にして行われる音楽療法です。
音楽療法のやり方
音楽療法は、個人セッションまたは集団セッションで実施します。
音楽療法士は、クライアントに合わせてどういう音楽療法のやり方がベストなのかを考え、選曲やプログラム作成を行います。
音楽療法の流れを簡単にまとめると、以下のようになります。
リハビリのやり方

近年、リハビリにおける音楽療法の活用が注目されています。
リハビリには、単に体の機能の回復だけでなく、メンタルケアも含まれています。
ここでは、リハビリの分野では、具体的にどのようなやり方で音楽療法が実施されているのか見ていきましょう。
感覚運動機能のリハビリ
音楽に合わせて歩行練習をする、あるいは楽器演奏をして体の機能改善を図るなど、体全般のリハビリを行います。
音楽のリズムによる聴覚刺激で聴覚機能の改善を促すやり方もあります。
言語・発話機能のリハビリ
運動性失語症、全失語症などを患った患者さんを対象にして実施します。
具体的には、「メロディック・イントネーション・セラピー」や「音楽的発話刺激訓練」などがあります。
心の働きのケア
主に精神疾患を患う患者さんに対し、「音楽を聞く」「音楽を演奏する」などのセッションを行い、メンタルの安定や意欲の向上などを目指します。
精神疾患には多様な種類があり、また患者さんは個人差が大きいので、いかにその人の背景をくみ取って適切なセッションを実施できるかが重要です。
認知機能の向上
音楽の刺激を利用して、注意力や記憶力の向上・ケアを図るやり方です。
そのため認知症や意識障害のある患者さんを対象に実施されることも少なくありません。
音楽療法によって、BPSD(認知症に伴う行動・心理)が減少し、QOL(生活の質)が向上すると指摘されています。
社会性・協調性の取得
社会性・協調性の取得を目的とした音楽療法です。
対象となるのは、精神障がいを持つ人、高齢者、介護施設入居者などです。
集団で音楽を演奏したり合唱したりすることで、社会性・協調性の取得を図るのが目的です。
病院・リハビリテーション施設によって、「カラオケ会」「院内コンサート」など様々な形で実施されます。
音楽療法のやり方をマスターしてメンタルケアやリハビリに活かそう
音楽療法は、音楽の力を利用して心身の回復をサポートすることが目的です。音楽には心を安定させたり、感情を発散させたり、集中力や注意力を高めたりする力があり、メンタルヘルスのケアやリハビリなどにも活用されています。
例えば、音楽に合わせて歩行練習または楽器を演奏したりすることで体の機能改善を図ったり、言語・発話機能のリハビリを行ったり、集団で音楽を演奏したり合唱したりすることで社会性・協調性の取得を図ったりと、様々なやり方で音楽療法が実施されています。
音楽療法士の資格を取得することで、ピアノやギターなど特定の楽器をマスターできれば、施設などで単に演奏するだけでなく、クライアントを相手に楽器のレクチャーをしたり、演奏会を計画したりと、音楽療法士として幅広い活動をすることが可能です。
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